Keep Contradiction

「矛盾を矛盾のまま引き受ける」ということ.

 それは例えば「言葉でいう論理的な矛盾」や「日常的な行動の一貫性の無さ」に対して,全く放っておくわけではなくてその矛盾が生じた理由や存在意義について考えはするが,「それは解消すべき」という結論が出なかったり,またそういう結論が出てもすぐに解消に向けた行動に走ろうとせずに一定時間の猶予を自分に持たせる余裕を生み出すスタンスのようなもの.

 性急な解決を望まない.「解決するという快感」を目指しての解決に誘惑されない.論理的な矛盾に対して脳だけでアプローチするとこの誘惑に負けやすい.
「その言葉の上での整合性があろうがなかろうが自分の日常に何の作用ももたらさないだろう」というトピックについて語っているのではない.矛盾を構成する言葉のそれぞれが(単なる言葉遊びや論理トレーニングではなく)自分の価値観と結びついており,ひいては日常の振る舞いに関係しているといった場合の矛盾について語っている.すると当然その矛盾は自分の身体に関わってくる.

 経験を積む,あるいは習慣を形成するには時間が必要であり,その時間とは「身体が”あるべき状態”に達し平衡するまでの時間」のことである.上記の矛盾に相対する場合,脳は「手間(=時間)のかかる身体」に付き合わねばならない.
 それは脳にとっては我慢であり,不安定に耐えることであり,それ相応の知的体力を要する.もちろん知的体力は知識量とは関係ない.

11.9.27



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