◇Useful Complication
積極的に受け入れるべき複雑さについて.
このトピックについては,様々な次元において多様に語ることができる.それを可能性と見てもよいし,「一義的には表現不可能」という意味で不可能性と見てもよい.が,ここではもちろん前者のスタンスをとる.書きながら考えをまとめる(=勝手にまとまっていくのを期待する)執筆スタンスをとるちひろ氏にとって,このような多階層にわたる話題は書き手たる本人も含めて分かりにくい文章で表現されていくことになる.これは言い訳である.
まずはsimplenessおよびcomplicationについて思いつくところを箇条書きしてみる.
- 考える行為自体を味わうなら,考える対象が単純では取り組み甲斐がない.
- 複雑さは解明されても,解消されるものではない.
- 通常の哲学は「物事の単純化作業」であり,理想化であり,
語るにおいて「語り得ないものを削ぎ落とす」.
- 単純さは思考を省くためにあり,複雑さは思考を深めるためにある.
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11.8.28